星々の舟

2006年9月11日 読書
ISBN:4163216502 単行本 村山 由佳 文藝春秋 2003/03 ¥1,680

一つの家族の姿を、三世代それぞれの状況や思いを
丹念に描いてました。

半分血のつながった兄妹が愛し合ってしまったり、
不倫や帰宅恐怖症候群など、
ありとあらゆる不幸をこれでもかってくらい
凝縮した家族なんだけど、
父(重之)に対する思いが最後の方でなんか変わった。
最初はやーなやつだとしか思ってなかった。

戦争の生々しい思いに、
二人の妻にしてきた仕打ちに、
お父さんはお父さんなりに苦しんでいたんだね。

中でも、中国での軍隊のことや、
慰安婦とのことなんかはすごく胸に迫ってきた。

やっぱ、戦争って軽々しく口にできないくらい
人を苦しめ、なんにも生み出さないものなんだね。

作者はあくまで「これは戦争小説ではない」とあとがきに
書いていたけれど、自分はそのコトが書かれた後半に
グッと来た。

あえて語ろうとしない戦争体験者も多いと思うけれど、
(忘れたい過去なのかもしれない・・・)
これからのためにも、ぜひ真実を知りたい。

そんなことを考えさせられました。
意外な内容でした。

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