幸福な食卓

2006年12月19日 読書
ISBN:4062126737 単行本 瀬尾 まいこ 講談社 ¥1,470

「父さんは、父さんを辞めようと思う」

こんな印象的なセリフから物語ははじまる。

ある梅雨の日突然に自殺未遂した父さん、
それによって家を出て行った母さん。
そのトラウマで梅雨の時期にひどい頭痛に悩まされる主人公。
いっぽう一見のんきで穏やかな兄。

それぞれにとっていろいろなことが降りかかるけれど、
家族の一人ひとりが魅力的に描かれ、
彼らの優しくて善良な心が、
本来なら崩壊していくはずの家族を家族たらしめている。

後半はかなりツライ状況があるけど、
すごく好きな小説です。

純粋に家族を思いやる気持ちがあったかい。

自分的にはなんか父さんにシンクロした。
仕事を辞めて薬学部に入り直そうとする父さん。
猛勉強するが、当然そううまくいくはずもなく浪人。
そのうち予備校でバイト。
しまいにはそこで正社員に。
きっとやっと天職に巡り会ったのだろうね。

実際は中年になって(しかも所帯持ちで)
そこまで人生を賭けられないが、
そうしたくなる気持ちはすごくわかる。

映画化されるそうなので、楽しみです。

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