ISBN:408746105X 文庫 三崎 亜記 集英社 2006/12 ¥500

よくこんな発想が浮かんでくるもんだなあ。
凡人には考えもつかないストーリー。

簡単に紹介すると・・・
ある日、役所の広報紙に不思議な記事が掲載される。
まちの活性化・発展を目的として行政主導で「戦争事業」が行われるというのだ。

そして主人公に突然かかってきた一本の電話から、
彼は否応なしにその「事業」に巻き込まれていく。

しかし、まちのどこからも戦争の気配は感じられない。
一方で確実に戦死者は増え続ける。
どこかで確かに誰かが戦い、命を落としているのだ。

彼は、偵察任務の中で何とかして戦争の匂いを感じ取ろうとする。
そんなある夜、彼に危機が訪れる・・・。

自分にとってこの物語は抽象的すぎて正直言って、
主題をつかむところまではいけなかった。
けれど、非常に斬新で印象に残る作品だった。

「戦争」は特殊な状況ではなく、
あくまでも日常の延長線上に存在するのだということ、
そして「人を殺すことも生かすことも結局は同じであること」
(実はこの部分はあまりよく理解できなかったんだけど)
を描いていたような気がする。(←読みが浅いな〜)

でもまあ、主人公と河西さん(役所の女性職員)との関わりと別れや、河西さんの弟、主人公の職場の主任、といった個々の人間像がよく描かれていて面白かった。

確か最近映画化されたので、観てみたいなーと思います。
そしたらもっとなんかつかめるかもしれないから。

コメント

スカル1−1
スカル1−1
2007年5月17日19:28

 自分は趣味で「物書き」をやっています。

 これまで、長編を一本と短編を何本か上げてます。
 (読者は殆どいません)

 ミクシィにも何本か載せてみましたが、反応が「皆無」なんで、正直どーでもいいかな?なんて思ってみたりしてます。
 (自己満足でやっているンだから、しょうがないんだけどね)

 実はこの話に似たような設定を考えたコトがあります。

 アイディアの元は劇場版「うる星やつら」からです。
 
 実際に文章には起こしていませんが、アイディアはやら細かい設定はまだ頭の中に入っています。

 似たような設定で、日本国内の内戦を描いた作品は幾つかあります。
 
 押井 守の「パトレイバー2」やら「西部新宿戦線異状なし」など・・・。

 でも、コレを国内で「合法的」に且つ「局地的」にやってみたら結構面白いのではないかと考えてみました。

 その中でも設定的に面白かったのが、深作欣二の「バトルロワイヤル」でした。
 アレは地域ではなく「年齢」を限定し「合法的」殺し合いをさせていました。

 各自治体単位で、しかもその中の「市区町村」の「部落・集落」ごとに、しかも「運動会」的なノリで「日常的」に「殺し合い」をさせてもオモシロイのではと考えてみました。

 しかも、開戦の「日時」と終戦の「日時」が決められていて、それ以外は「まったくの平和」で普通の「日常」があるという、一種のホラーみたいなパラレル感。

 開戦の伝達方法も「回覧板」とか「町内会掲示板」とか、そんなローカライズなもの。

 それでも、彼等はマジメに「戦争」をするワケです。

 実は、そこにこのお話の核心があるわけなのです。
 
 まぁ、いろいろ「仕掛け」は用意してあるのですが、今ここでは、ちょっと難しいです。

 作中の登場人物間の感情の行き違いやら、この「異常な日常」の中に潜在する「もっとも当たり前の平和と日常」
 「生きること」の意味・・・などなど、いろいろ盛り込んでみたのですが、まだ具体的に形にしていません。

 実際、文章に起こしてみると、案外スムーズに進むと思っていますが、仕事に明け暮れて、落ち着いて机(パソコン)に向かう時間も作れないし・・・。

 でも、いずれは、文章にして残してみたいですね。

普通の人。
旅人
2007年5月26日20:49

スカル1さん、レス遅くなりすいませんでした。
ご自分で小説を書かれているのですね!
すごいなー。
自分なんか何度挫折したか・・・。
マジそんけーです(*^_^*)
良かったらまた遊びに来て下さいね!!

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