ISBN:4167174057 文庫 石田 衣良 文藝春秋 2001/12 ¥500

この作品が書かれた背景には、
酒鬼薔薇聖斗の例の事件があるわけなんですが、
そのまんまではなく、もちろん石田さんテイストです。

主人公は、猟奇的な殺人を犯してしまった弟を持つ中学生の兄で、家族はものすごいバッシングを受けて悲惨な状態に陥るのですが、
「弟の気持ちを知りたい」
「弟を手助けをしてやりたい」
という純粋な思いから事件を調べに調べます。

そしてついに真実へとたどり着きます。

衝撃的なラストではあるけれど、
主人公がまっすぐに周囲の人を思う心情や葛藤が丁寧に描かれていてグッと来ました。

事件をあやつる「夜の王子」の心の闇は深かった。
でも、こういう子ってきっとたくさんいるのかもしれないなーとも思った。

大人がよかれと思ってしてあげていることが、
子どもにとってはものすごく苦しかったりすることもたくさんあるんだろうなあ。

いろいろ考えさせられました。

石田衣良。やっぱり恐るべしです。

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